そしてブルーズへの回帰

「まだロックが好き」のつづき

過ぎ去りしおれの日曜

 投擲された球状のものを、木の棒をもってして遠くまで飛ばし、それをわざわざ走行してとりに行く。いや爆笑。文明的な生活が充溢した現代にとって、かくなる野蛮な行為がひつようなのか? とおもうけれども、そんな技術を修練し、鍛え上げ、人類を競争せしめる行為に、一部ファナティックな享楽をかんじるひとびとがいる、ということで、野球、と命名されたそれは国民的スポーツと相成り、なんだよ国民的スポーツって、ちゅうかんじで、でもつまりそんな国民的スポーツに興味の湧かない私なんかは、もしかして非国民なんじゃないのか!? なんてことをおもったりおもわなかったり、っておもわんのかい! みたいなロンリーコミュニケーションをしたりしながら、でも私にとって非国民、それはアングロサクソン系だったりするんだけど、はははそりゃいいや、だっておれは外国の音楽とか好きだし、仏教的観念で転生したらイギリス人になりたいな、でもそんな必要なかったな、なんておもって水鏡にうつった自分の顔をまじまじと観察してみると、なんと! まごうことなき黄色人種であって、所詮はモンゴロイド、パパセイママセイ、ディララティーラ、なんてぐあいの深遠な絶望の洞穴を胸にあけ、今日もがんばって生きていこう、とおもったんですよ。イエローモンキー。悲しきエイジアンボーイ。

 そんな野球、いや。厳密にいえば、ソフトボールって競技名らしんだけど、おれくらいの年齢だったらソフトボール、そんなバンドいたっけね。なんておもうでしょ。まぁだからソフトボール、それを観戦しに参った。妻の会社の行事。地獄の苦しみ。

 そもそもソフトボール。なんじゃその競技名は。なめとんのか。そんな名前が押し通るのであれば、すべての競技名はすべて「ボール」である。そりゃあボールをしようするのだから全部ボールといってもいいんだよ。おっとそういうこと言います? 鍋でつくったものはぜんぶ鍋とかいいます? カレーもシチューも煮っ転がしもぜんぶ鍋ですか? どうなんですか? なんておもいながら悶々とおれは洞満グリーンパークというところを右往左往しながらとても疲弊し、さらには帰り道、とんでもない細い道を車で通らねばならず、これってぜったい一方通行だろ! みたいな市道を対向車をかわしながら、いや、時にその道に慣れしたしんだ地元住民に「なんでこんなとこ通ってんだ、よそものが」みたいな白眼を向けられながら、すんません、すんません、なんつって平身低頭しつつも心の底では「いまにみておれ弩田舎もんが、おまえらなんか都内に出たらイチコロだかんな」みたいなことをおもいつつ、漸く家につき、ってゆうか帰り道にコンタクト屋によったりしながらがんばって生きた日曜だった。まごうことなき地獄。