そしてブルーズへの回帰

「まだロックが好き」のつづき

こんなクソ人間からでも芸術は生まれる

 人間のくずとして生まれて幾星霜。軽蔑され、嘲弄され、野良犬のような生活をつづけてきた。でもかなしくなんかないもん。だって、ときおり芸術的なものを生み出せることに気がついたから。今朝もそうだった。完璧なうんこが出たのである。

  「完璧」というとパーフェクトという意味なのだが、もうそれは美しいほどの理想てきなうんこだった。うんこの美しさはやはりその色彩、大きさもさることながら、形状が肝要だとおもわれる。

 それはまっすぐな意思だった。愚直ともいえる。自分が生み出したものをこんなに称揚することは手前味噌なのだが、先頭から終わりまで徹頭徹尾として思い描く理想的なうんこだった。それは象徴としての抽象的な巻きクソのようなものではなく、誰もがいちどは経験したことがあるであろう実証的な、そして原風景的なうんこだった。

 こんなクソみたいな人生をおくってきた境涯からして、かくなる僥倖に出会えるなんて人生すてたもんじゃないなぁなんて思ったのだが、ひとつ心に残る点をみつけた。 

 うんこというものは排泄物であってきほんてきに汚物だ。クソみたいな人間が汚物を垂れ流したら、それはつまりマイナス×マイナス、という公式が成立し、そのマイナスとマイナスを掛け合わせるとプラスという「正」の属性をもったものが誕生することであって、そうか、こんな美しいうんこをひりだせる俺はやっぱりクソ人間なんだなぁ、とかなしくなった。

 そんな三十一歳の秋。天高くすみわたった空はどこか物憂げだった。

今週のお題「芸術の秋」