そしてブルーズへの回帰

「まだロックが好き」のつづき

暮れ行く街のざわめきの中に立って

 どうして貧乏なんだろう。という疑問が、きっとおれを一生悩ませるのだろうけれど、そんなことばかり気にしてちゃあ、日本男児の名折れだ。そこんとこは気風よく、「カネなんてありゃあつかっちまうし、なけりゃあそれまでよ! はっはっは」なんて行きたいものですね。ほんと。もう。

 

 土曜。ってゆうか、そのまえの土曜か、もしくは日曜。拙宅のテレビジョンに接続してあるデジタルヴィデオディスクレコーダーが、なんということでしょう。故障の兆しをあらわした。録画した映像が巨大なポリゴン模様を呈したり、各種ディスクのデータを読みこもうとすると画面の暗黒からなかなかスタートしない、などの不具合が発生したのである。

 

 こまったな、これは。とおもったのは、つまり翌週の「仮面ライダービルド」の最終回が、このような悪条件の元で録画されてしまう、ということであって、そうなると、重要な場面で粗悪な画像条件をつきつけられる、という悲しい人生をおくることになりうる。こまります。

 

 ということで、カネないなぁ、とおもいながら、しかしこれは投資だ、よりよい人生を過ごすための投資だ、とおもい、約四万円という、おれの人生のなかでも、ランキング上位にやってくる途轍もない大金を消費する、そのブルーレイレコーダーというものの購入に、踏み切った、というか、ノリでアマゾンの「ワンクリックで買う」を、タップしたのである。

 

 そうして先日の土曜。それを接続せしめた。とても具合がいい。その機能に「どこでもディーガ」というのがあって、これが手元のスマホでどこからでも録画予約、そして録画したテレビジョンの内容をいつでも視聴可能らしい。未来の機能である。

 

 とても暑い日が続いている。先日、息子が庭でショウリョウバッタという昆虫を捕獲した。とても愛でていた。寵愛していた。しかし、土曜、虫籠ともに外にだしてやると、遠い空を眺めるバッタの物憂い瞳に、慈悲のこころが喚起させられたのか、「にがしてあげよう」という決断をしたのである。やさしい。

 

 そうだ。あと庭の芝刈りをした。エレキテルでうごく芝刈り道具を購入したのだが、これがいいかんじだった。しかし、日ごろの運動不足も相乗効果で、とてもつかれた。桃太郎のおじいさんは、こんなことをしに山に行くのか、とおじいさんのその屈強な肉体と精神に畏怖をいだいたが、山で芝刈りしてどないすんねん、そんなん無限に生えてくるやんか、とおもったので、アレクサ! 桃太郎のおじいさんはどうして山に芝刈りに行くの? と訊いたところ、「わかりません」と相変わらずのポンコツぐあい。やんなるね。って改めてグーグルでそれをサーチしたところ、芝刈りは「柴刈り」らしく、つまるところその柴刈りというのは、山の素材をあつめることで、その素材で籠やらなんからのクリエイティブを発揮するためらしいんですね。学問。

 

 たまねぎを浸した肉がやわらかくてうまい、という情報をゲットしたため、それを夕餉にした。うまかった。いやまぁとくに書くこともないな。翳の足がのびてゆく。日記。