そしてブルーズへの回帰

「まだロックが好き」のつづき

カカオ二部

 

 妻から衝撃的なカミングアウトを聞いた。カカオには二部がある、ということである。ふふっ、ジョジョっぽい。

 ことの発端はパンに練り込まれているレーズンやらチーズの異物感についてはなしているときだった。妻は、

「あたし、その異物感が好き!」

 というのである。ちなみに私は比較的シンプルプレーンなものが好きなのであまり好みではない。が、しかし。重ねた馬齢の妙により、なんだかその異物感のことをちょっと好きになってしまったのかもしれぬのである。この歳で恋。

 そんななか、妻が藪から棒に「カカオ二部も好き」と言ったのだった。

 村上ショージというひとのギャグに「なにを言う、早見優」というものがあるが、まさに虚を衝かれた私の胸裏にうかんだのはそれだった。なにを言う、早見優北天佑

 むろん、カカオとはチョコレイトの構成物である。ガーナという板バージョンのチョコレイトは赤い包装紙につつまれているのだが、その赤い包装紙のむかって右うえに、たぶんこれがカカオだろう、とおもわれる果実がペイントされているのだが、つまりこれが私のなかのカカオの具現であって、じっさいの実物はみたことがないのだが、まぁ今のインターネットが普及した時代では、じっさいに実物をみたことのあるもののほうが少ないわけで、べつだんそれを苦言される必要はないのだと思われるが、しかし、この私の知っているカカオは二部なのか? ってゆうか二部があるのならばもちろん一部もあるってことじゃんね? ってことは三部は? って先を考えるとややこしくなるので、いったん、ということで、カカオには一部、二部まである、と仮定したい。

 恥をしのんで記載するが、私はチョコレイトの精製方法を知らない。ゆえにカカオがどのようなプロセスを経てチョコレイトになるのか、ということが判然としていないのだが、たぶん砕いている。カカオパウダーという表記をチョコレイトの構築物として認識したことがあるからだ。つまり、カカオはパウダー状態になってチョコレイトになるのだが、俺は思う。このカカオパウダーというのはきっとカカオの最終形態だと。ということはだね、このパウダー状態になる前に二部となっているはずなんだ。じゃあいつ? どこで? だれがそんなことしたの?

 しかし前述のように私はほんとうのカカオを見たことがない。ガーナチョコレイトのパッケに抽象的に描かれた絵画しか知らない。無知とはこんなにもおろかしいことだったのか。もっとちゃんと勉強しておけばよかった。もっとまじめに先生の話しを聞いておけばよかった。さすればカカオについて、ちゃんとした知識を持ち、その二部構成の内容を把握、チョコレイトの歴史から、精製方法における近代科学までを学問し、まさに吟味、チョコレイトほんらいのありがたみについて感じることができたはずなんだ。マイクログラインド製法はロッテだよ、おばば。なんつう漫画の知識しかない私はいままでの人生をひどく恥じた。ってゆう日記です。おもったより長くなりましたね。

三部へつづく。