息子がかわいい、という日記
さらりとした肌の質感に、ちょこんと突起した鼻頭と唇があどけない。結ばれた瞼には凛としたまつげが植わっており、可憐でありながらアートをかんじる。ゆるやかな丘陵が頬にひろがっていて、額のうえにははらはらとやわらかな前髪が散っている。
ドアから伸びた光が息子の顔に陰翳をおとす。その神の設計による芸術作品の顔面をみるたび、気が狂いそうなほどの愛情が湧いてくる。もうこれは人間を超然としたほかの生物なのだろうな、とおもう。
そんなことをおもった翌朝。息子が云った。「ようたくん、ほんとはユニコーンなんだよ」ほらねやっぱり。って、それって超ベテランバンドじゃないっすか。ってそっちじゃないんですけどね。
動画などで欧米文化にふれているのでユニコーンが好きらしい。怪盗グルーという活動写真にも、ブリッピーという幼少教育動画にもユニコーンが出てくる。さすがファンタジーの本場だな、とおもう。
でもさいきん、キュウレンジャー、仮面ライダービルド、ウルトラマンジードなどに熱を帯びている。嗜好性の変化に成長をかんじる。
クリスマスプレゼントに仮面ライダービルドのベルトを購入してある。アマゾンで買ったのだが、さいきん調べると、ははは、やはり値上がりしている。千円も高くなっていた。ハイパーインフレーションを見越して一手早く購入していたのだ。クリスマス商戦に勝利した気分になった。
でも仮面ライダービルドは、ないようがまだ難解でほとんどみない。というか、あまり変身しないので心に風がふかないらしい。ベルトを買ってちゃんと減価償却できるのか? と憂う。
でもきっとだいじょうぶ。そう思うのは先日、三歳児がラムネを食ったときのことだ。
ラムネ壜を模したグリーンの樹脂製の容器に、ラムネが幾粒かのこったじょうたいで、息子はその容器をはげしくシェイクしはじめた。ちゃかちゃかと気味の好い音が響いた。するとだしぬけにそれをズボンにはさみ、「ラビットタ~ンク、ベストマッチ!」と叫んだ。
もうそんな遊びをするのか! とすっごいびっくりした。ビルドの変身のまねっこであった。ちなみにトッキュウジャーの変身もお手持ちの電車の模型をしようしてまねっこする。りっぱにキッズだ。
よくわらう子だとおもう。きっと妻がよくわらう人なので、遺伝なのかもしれない。ってゆうか、妻はよく息子に怒っているし不機嫌になるけれど、好い母親をしてくれているとおもう。息子とたくさんあそんでくれている。
家族がいて、ほんとによかった、といつもおもう。