そしてブルーズへの回帰

「まだロックが好き」のつづき

蕎麦屋になりたい

 蕎麦がすき。

 ちょっと好きなのではなく、けっこう好き。好き好き大好き超愛してる。

 だから、脱サラして蕎麦屋になりたい。

 蕎麦屋になってうまい蕎麦を打ちたい。

 でも、それって自営業ということになり、必然的に厚生年金から除外され、ということは勤め人よりも老後の金銭面において不安が残る、ということになるが、「いいじゃん。蕎麦打てば」という人もおるだろう。愚昧な。たしかに定年という概念がないぶん、自営業は働けるだろう。しかも若者より老人が打った蕎麦のほうが箔がつく。イメージ戦略超だいじ。しかし、それってつまり「死ぬまで蕎麦打ち」という実刑、それはもう無期懲役、執行猶予なし、じゃないか、とおもうわけですよ。おれなんかは。やったことないけどさ、けっこうな労働だとおもうの。あれって。腰とかいたそうジャン。「じゃあ、蕎麦麺は外注にだせば?」とか言いますか? 軽薄すぎるwww 蕎麦屋が蕎麦打たねぇでなにするっつうんだよ。あほか。それにやっぱ蕎麦にはこだわりたい。毎日粉に塗れていたい。看板は手打ち蕎麦の文字がいい。武田双雲。おれでも書けそう。ガラスで仕切った蕎麦打ち部屋。ここがおれの監獄か… でもそれって蕎麦屋としての説得力がちがう。でも、蕎麦屋が蕎麦だけ打っていればいい、というのはそれはたいへんな幻想ですよ? なぜなら揚げ物をしばければいけないから。やはり天笊。このへんはマスターしなければいけないだろう。海老、茄子、獅子唐、野菜ミックス、通称かき揚げ。このへんの修練を積まねばならない。天笊に松竹梅のグレードをもうけ、客の線引きなどをなさねばならない。「あいつ、いっつも梅だな」なんて厨房で言わないで。しかもだ、カツ丼、天丼類まであつかわねばならないのが昨今の多様性をもとめる時代の風潮。こりゃやばいぜ。あと鴨を捕獲する技術もいるじゃん。うわー、蕎麦屋ってたいへーん。