そしてブルーズへの回帰

「まだロックが好き」のつづき

アイスピッキン

 うわー、ブログ飽いたわ! ちゅって、やべー! ってなって、じゃあ環境をかえてみよう! と思い立ち、ライブドアブログで日記を書いてみたのだけれど、書きにくいことこのうえなかった。あと全体的にデザインがふるくさく、端的に云ってクソださかった。

 そういえば。禁酒したはずなのに、いつの間にか酒をのんでいた。これはどういうことですか。誓いを立てたあの日、おれは家中のすべての酒を台所の流しにこぼした。空白を充たした壜が、からん、と音を立てて積もっていった。

 それなのにどうして。忘れていた。料理酒のそんざいである。台所の引き出しに、みりん、小麦粉、片栗粉、サラダ油、ごま油、オリーブオイルと頭を揃えているのが料理酒だ。こいつを流してしまうことを失念していた。

 夜半。おれは渇いていた。眠れなかった。空腹にも似た飢餓感が体中を蝕んでいた。酒なんかのまなくても死なない。そう云うひとがいる。しかし、おれは死ぬかとおもった。脳みそのなかで僧侶が荒れ狂うように除夜の鐘を鳴らして超痛かったし、手の先はふるえがとまらなかった。志村けんがばばあのコントでやるようなかんじだった。酒への渇仰は、極限の空腹に似ている。

 ひとり閨をでて、料理酒をのんだ。味なんかあったもんじゃない。でも食道をくだって胃袋に落ちたアルコールは、腹の底にぽっとガスの灯をともした。←この表現は中島らもをトレースしてます。念のため。

 ってゆうか、うそです。そんな感じじゃないです。ふつうに「あ、飲もっかな。さみーし」くらいのニュアンスで飲みました。あと、妻が寝てしまって家事をひとりでこなさなければならなかったので、景気づけに飲みました。「厭だな」とか「めんどくせぇな」みたいな気持ちが麻痺するので、酒のみ家事はおすすめです。

 昨日はアルバートコリンズという黒人のブルースマンを聴いた。テレキャスの理想的な音を鳴らすひとだ。ブルースというとバーボン、スコッチを片手に。なんてイメージがつきまとう。あはは、そんなのコーカソイドネグロイドのみが似合うわけであって、われわれモンゴロイドはやっぱ焼酎ですよ。焼酎とブルースの相性はひどいくらいにぴしゃりと合う。

 あと今度ちゃんと日記に書こうとおもったんだけど、セロニアスモンクというひとはブルースマンですね。ジャズピアニストらしいけど、はじめてソロアルバムを聴いてびびった。アボイドノートというか、メロディで音をがんがんぶつけてくる。あとタイム感が縦横無尽で前にも後ろにもリズムをずらしてくる。もう、なんだか、わかりません。

 相変わらず、蝶よ花よと息子を溺愛している。豪雪の影響によりチャリが使用不可能なため歩いて通園している。今日は氷の張ったアスファルトを踏みしめて、ぱりぱりと音が鳴るのがたのしかった。凛と張り詰めた、それでもすきとおった空気のなか、上気を帯びた頬に曙光が射しこみ、わが子ながら「うつくしい顔をしているなぁ」とおもった。