そしてブルーズへの回帰

「まだロックが好き」のつづき

土日のこと

 土曜。妻が午前中しごとに行っていた。三歳児とふたりきり。ひどく晴れた日であったが、触れられそうなほどの重みをもった冷気、それを北風がはこんでおり、世界に終末のような冬が立ち込めていた。

 これでは外であそべない。法律で禁じられている。だからこそ我々一族は、お菓子を食べながらテレビを観賞することにした。

 録画したものを観た。ピタゴラスイッチという番組である。さいきん同番組内で「びーだまのびーすけ」というシリーズを放送していたのだが、これがまじで超びっくりした。すごかった。感想がそれしかない。

 デザインあという番組もあるのだが、なんというかすさまじい瀟洒であって、こんな番組を観るような洒脱な家庭を築きたいものだ、とおもった。

 あいかわらず仮面ライダーに惑溺沈湎している。地上波ではビルド、アマゾンのやつではフォーゼというシリーズを観ているらしいのだが、いつも適当に主題歌を歌っている。たのしそう。

 ウルトラマンジードも観終わった。タツオミくんはたぶん大きい声がだせないひとだな、とおもった。世の中には一定数「大きい声がだせないひと」というのがいる。俳優というか、ヒーローとしては致命的ではないかな、とおもった。

 そういえば、たしか私が幼少期のころ、ちょうど仮面ライダーウルトラマンも終了してしまった時季だった。あのころは特撮ものよりもアニメものがおおかったイメージがある。

 夕餉は餃子をたらふく食った。ビールがうまかった。ビーフィーターがなかったのでゴードンのジンを買って飲んだのだが、これもうまかった。

 日曜。息子が「アメリカに行きたい」といいだした。流川かよ、とおもったがどうやら彼のいうアメリカは室内遊技場のことであるようだった。よく観ているブリッピーという墨夷の動画で、四十がらみのアングロサクソンのおっさんが、室内遊技場であそびまくる、というマニアックな映像を観たがゆえにの発言であった。

 しかるに、近所のバリュープラザまで行き、六時間みっちりあそんだ。私はぼーっとしていた。けっこうひとり遊びができるようになった。「ひとりで遊びたいからパパついてこないで」と言われた。俺の子だな、とおもった。たくさんお酒を飲んで寝た。とくに感想もない一日だった。