そしてブルーズへの回帰

「まだロックが好き」のつづき

静かな日々

 五連休。ずっと三歳児とともにすごした日々だった。ってゆうか妻もいたんだけど、なんちゅうか妻ってもうすでに半分俺だから、ずっといっしょにいてても別段「あぁ、いっしょにいるなぁ」ってかんじがしないっすね。

 年末年始だからといって三歳児の生活のバイオリズムが変革することはなかった。朝が始まれば起き上がり、夜が深くなるまえに眠る。われわれ親にも同時に、そういう日常が静かにとおりすぎていった。

 トイレトレーニングをがんばった。むろん私ではなく息子である。小用のほうはだいぶ尿道のコントロールができるようになり、「行きたくない」と言うのだが、行けばかならず出すことができる。ほめた。小用を称揚。なんつって。

 ちかくの公園に行って天空に凧を放った。息子の心気は昂ぶりを見せた。はしった。たのしかった。しかし加齢による足腰の弱化はすさまじく、その翌日の夕刻。腿のすじなどに苦痛を覚えた。

 そういえばトイストーリーを見た。無印とその続編たる「2」である。息子もよく見ていたし、私もおもしろいなぁとかんじた。「3」も見たい。泣けるらしいが、アンディが大人になったとき、という伏線がすでに2でちりばめられているのだね。

 大晦日という意識下のもとで、テレビ番組に翻弄された。やはりガキ使を録画しておいた。それを見たのだが、なんというかそんなに魅惑されるものでもなかった。というかあれは一年のスキャンダラスな事象の振り返りだな、とおもった。毎年恒例という習慣はひつようなのかもしれない。

 近所も閑散としていた。いつもは聞こえてくる子どもたちの声も響かなかった。みな、実家に帰省しているのでしょう。私たちには帰る場所なんてないのよ。ふたりでがんばるしかないのよ、って夫婦の絆は深まった。

 そういやぁ、あれっすわ。ニトリでソファーを購入した。いままでは「息子をのびのび育てたい」という念願から居間にソファーを設置せずにいたが、あまりにものびのび育てすぎた結果、超絶元気な放縦不羈な男子になってしまったために、ソファーの設置をしよう! すこし居間を狭くしよう! とおもった。ニトリでいかんじのやつが安かった、というのもあるが。

 ギターのリフィニッシュをしようとおもった。しかし、分解途中、ポット裏のはんだが溶けない、ということに気がつき断念している。現在調査中。

 いろんな人に商品券をいただく機会が多い。俺は愛されている。ってゆうか外面のよさだけでなんとか生命を維持している。そんな商品券をかぞえたらビール券が二万円ほど、その他のやつが五、六万円ほどあった。酒屋にいってめちゃくちゃビールをかった。ウイスキーはグレンリベットという、昔たまに買っていたスコットランドシングルモルトを購入した。青りんごのような果実味が特徴だ。うまい。うまいが、高額な酒はやはり肌にあわない。

「おまえはいつもそれだな」

「おれにはこれくらいの安酒がちょうどいいのさ」

 なんて科白を言いたくなったが、これはたぶん三下の科白で言ったら次回に死ぬやつだな、とおもった。静かな日々をおくりたいだけなんだ。そういうことを初詣のだるま市で願った。