そしてブルーズへの回帰

「まだロックが好き」のつづき

あの曲を、いま聴いている

 昨夜。ナンバーガールを耳に入れていた。アップルミュージックというアプリケイションを起動させると、「FOR YOU」という欄に「SAPPUKEI」が掲示された。なんでや! って十一月三十日はナンバガの解散した日だった。

 もともと俺はそんなにナンバーガールが好きではない。好きではないことはないが、周りが聴いていたほど聴かなかった。というか、俺がナンバーガールを聴き始めた頃はすでにナンバーガールの影を踏むようなバンドが横溢していたのでそちらを聴いていた。舶来のものとかね。

 久しぶりに聴いたナンバーガールは凄まじかった。ナンバガを聴くと、各メンバーが音楽を演奏している、というよりは、まるでひとつの生命体が鳴っている、そんなふうな感覚を湧かせられる。それは途轍もなく巨大で、黒くて、すべてを破壊してしまうような衝撃力に満ちている、とおもった。

 「SAPPUKEI」をすこし聴いたあと、「サッポロ OMOIDE IN MY HEAD状態」を聴いた。俺はこのライブ盤がナンバガの名盤だとおもっている。

 いま向井はザゼンボーイズで活動している。すごいバンドだ。でもすごいバンドだからって時代を食らってしまう、ということでもないのかもしれない、とおもった。

 世界一かっこいいイントロ、というものがあるとすれば、それは口語から始まる。「福岡市博多区から参りましたナンバーガールですドラムスアヒトイナザワ」これいじょうのイントロを俺はしらない。

 そんなことを思いながらオモイデインマイヘッドという曲を聴いた。次の曲はイギーポップファンクラブで、あ、やっぱこの流れだよな、とからだの血液がぐつと煮えたぎるような覚えがした。

 おそらくナンバガを聴いた全男子は童貞を失った日、イギーポップファンクラブを口ずさむとおもう。おれがそうだった。狂喜と寂寞と哀愁。エレジィイイィィー!!

 いまの高校生とかはどうなんだろう、とおもった。向井のようなカリスマ性をもったバンドっているのか? いや、そんな簡単にあんなヤツが出てきたら困る。ってゆうかそんなん国が乱れる。やば。おれの青春に向井、というかナンバーガール、そんな奇矯が居てよかった。