そしてブルーズへの回帰

「まだロックが好き」のつづき

くだらないの中に愛が

 星野源という人を「歌がへただ」とおもう人もいるかもしれない。そう思うのはミスチルの桜井やアイコのことを「歌がへただ」とおもう人が一定数いるからであって、ではなぜ、この人たちのことを「歌がへただ」とおもうか、というと、おそらくそうおもう人は耳が好いからで、なぜ耳が好いと彼らの歌がへたに聴こえるか、というと、彼らの楽曲のコードがオンコード連発でむつかしくて、メロディが浮いているように聴こえてしまうばあいがあるから、なんじゃないかな、なんておもった。まぁとにかく星野源はやばい。天才だ。

 そんなことを思いながら昨晩。私と妻はついに成し遂げた。ついにウォーキングデッドをシーズン7まで見終わったのだ。漸く現在絶賛放送中のシーズン8においついたのだ。これでネタバレがこわくない。

 しかし問題はわれわれが加入しているアマゾンプライムビデオでは、シーズン8は有料課金がひつようであって、そこまでしてみなければいけないか、といわれると、なんだかもっとやるべきことがあるような気がしてならない。焦燥感をかかえている。

 ともかく。今夜は喜び合おう。そうして共に興奮冷めやらぬまま、床に臥したのだが、ウォーキングデッドへの思いが強くなってしまい、眠れない。

 そうしてお互いに今日の感想、などを話し合っていたのであるが、それはなんだか、そこはかとなく、修学旅行で消灯後にわきあいあいと話し合う友達のようなニュアンスがあって、すてきだった。

 もちろんこれからのウォーキングデッドの話をメインに据えたが、夕食にあったえのきの話などをした。ちょっと塩っぱかったけどね、なんつって。時間が経ったからえぐみがつよくなったね、なんつって。いやーそうでもないでしょう、なんつって。えのきはバターしょうゆがあうね、なんつって。でも今日食べたのってしめじだよね、なんつって。くっくっく、なんつって。

 妻とはかれこれ十三余年の付き合いになるが、いつまでこうして友達のように話していられるのかナァなんておもった。くだらない話をしているときがいちばん楽しいのかもしれない。