そしてブルーズへの回帰

「まだロックが好き」のつづき

「スーパー」VS「ハイパー」

 

 少年時代。かくなる問題がいつも私の懊悩であった。表題の「スーパー」と「ハイパー」はどちらがより強烈なのか? という問題である。いっぱんろんとして、これはハイパーが上位である、と思われている節がある。

 おそらくそれは機動武闘伝Gガンダムにあらわれたシャイニングガンダムゴッドガンダムによるものではないかな、と思う。シャイニングガンダムはスーパーモードという超強い体調になることがある。たいしてゴッドガンダムはハイパーモードという、これまた激烈にストロングな体調になる。

 もちろんシャイニングガンダムの上位交換がゴッドガンダムなので、その体調の変化自体も上位交換されているとみなすのが当時十数年も馬齢を重ねた統計学的な見地なのだが、でもほんとうにスーパーよりもその具合が熾烈なのか? という疑問が付きまとっていた。

 ちなみにウルトラという選択肢もあった。超ウルトラとかつかうじゃん。でもこのウルトラに内在するちょっとした田臭が滑稽だったので、仲間内でユーモアを交えるときにしか使用しなかった。たぶんウルトラマンのせい。ウルトラマンとか子どもっぽいじゃないっすか? やはり本気のときにはスーパー、もしくはハイパーの二択である。もうちょっとすると「アルティメット」というめちゃくちゃかっこい形容詞に出会うのだが。

 スーパーとハイパーの問題をGガンだけで判断するのは早計では? そう思い辞書を引いた。するとスーパーもハイパーもじっさい意味は「超越」であって、おんなじじゃん、となった。おれはいまままでなんて無礼をスーパーにしていたんだ。と悔悟の念をいだいた。かってに巷間にのぼった愚説によって、ハイパーのほうがすげぇ! と思い込み、自作のファンタジーにもスーパーよりもハイパーを上位交換として使用していた。俺はいまここでその謝罪の意を表したい。

 スーパーさん。おれはいままでハイパーのほうが強いと思っていました。でもほんとうはおんなじくらいの度合いだったんですね。かんちがいしていました。だから超絶ごめんなさい。ハイパー謝ります。