そしてブルーズへの回帰

「まだロックが好き」のつづき

たしかに未来が昔にはあった

 

 まさか! と思うことがたくさんある。そりゃそうだ、と思うのは想像力なんていうものは個人の裁量を出ないものであって、現実はそれをトーンッと越えてくる。そんなことがあった。つまりなにが言いたいのか。高枝切りバサミを購入したのである。

 拙宅の玄関に一本の木が屹立している。名前もしらないその木がぐんぐん伸びて、玄関のドアに干渉するようになった。邪魔なんですね。

 ということでアマゾンでそれを購入した(アマゾンというのは南米の熱帯雨林地帯ではなく、同名のネット通販を取り扱う業者のことです。南米のアマゾンに高枝切りバサミなんて文明の利器があったら、森林伐採は熾烈を極めるでしょうね。まぁほんとうにアマゾンまで行って購入していたら空港の税関あたりでひっかかるでしょうが。ってかわざわざそんなとこまで行かないわ。ってごちゃごちゃうるせぇ!)。配達された。土曜日にそれをした。切り方がわからず闇雲に切った。辻斬り。なんだかわびしい感じになってしまった。ただ、それだけの日記。

 しかしまさか私がこのような物品を購入するとは努々思わなかった。それははじめてベースを購入したときにも似た気恥ずかしさがあった。自分にまったく縁のない、と思っているものであっても、ふとした瞬間にそれと邂逅するときがある。なんだか不思議だ。

 むかし想像していた未来はもうすでに現実になってしまっている。今回の枝切りバサミのような予想外のことも多々あったが、予想内のことでも進行している。おそらく俺はここまでの男だろう。でも、平凡な人生でなにが悪い! といえるほど、そこそこの暮らしをしている。あ、カネはない。