そしてブルーズへの回帰

「まだロックが好き」のつづき

冷夏が続いたせいか今年は なんだか時が進むのが早い

 

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たくさんの美しい写真がインターネットに開花している。そんななか、忸怩たる思いであるが、我が家の「今年の夏」を象徴する近影をアップロードしてみる。

ウェザーニュースを幾度となくチェックしていた。妻と予定の調和する日取りを決め、観風を仰ぐためである。しかし鬱慮、憂悶することがしばしばだった。なぜなら。

今年の夏は、雨天曇天のマークが巷間に横溢していた。ゆえに遠方に足を運ぶのを憚られることが多かった。山の日という祭日も制定されたが私は仕事だった。妻も土曜は労働に従事することがあるため、日曜休日のお天道様の元気な姿には感佩した。

もうすぐ3歳になる息子がいる。写真のそれである。彼と風光絶佳を興じたい、そうねがったが、予測される天候がそれをさせないことが多かった。しかたなく陋屋にそなわっている猫の額ほどの庭であそぶ。すると。

白いもくもくマークが予見していた曇天から一転。陽光が世界に満ちた。判然たる鮮烈な色彩が世界に放たれた。陽射しは肌をじわりと焼付け、若草が馥郁とした。塵埃のまじった温室のような生ぬるい風が頬を掠め、耳を聾するほどに蝉が歌った。

息子と私はいたたまらなくなった。「こうしてはおられぬ」と真空を利用した水の発射装置を小脇にかかえ、行水にはげんだ。ビニールプールなども所有しているのだが、空気の注入に時間を要する。この瞬間、太陽が踊っているのは須臾かもしれない。そう念慮し、刹那を遊戯することに獅子奮迅、粉骨砕身、全身全霊を賭した。

そんな一時。無聊を託ちていた我々に降り注いだのは、ちいさくて濃厚な夏だった。桶にいれた水は清澄な光を放っていた。

今週のお題はてなブログ フォトコンテスト 2017夏