そしてブルーズへの回帰

「まだロックが好き」のつづき

連休が雨ばかりで「ざまあみろ」と思っている

 

「はっはっはっ」とちっちゃい「つ」を入れると哄笑しているニュアンスが出ていいですね。これがただ単純に「ははは」だと、渇いた笑いになってしまって、私が抱くこの軽蔑的な冷笑というか、嘲弄の念みたいなものが醸しだされないですね。はっはっはっ。

 

みなさん、連休でしたか。ふふふ。いやだめだ。わらってしまう。ちなみにこの「わらう」はかつて漢民族が残したものを日本風にアレンジした漢字で表意すると「笑う」ではなく「嘲う」ですね。じゃあ最初から「嘲笑う」って書けばいいじゃん!て思いますか。思います。

 

なんでこらえきれない爆笑を抱いているのか。そりゃこの連休が雨ばかりで連休を「たのしいなぁ」とか思っている愚民がぜんいん「今日も雨か…出かけられないなぁ」なんて小さくまとまった一日を過ごしているのだろうな、と夢想すると「ざまあみさらせ」と思うからです。ぷっ。

 

8月11日。金曜日。午前零時。祝日。山の日。そこから数日。人類は休暇をとる。この世の平和を守るためである。この時季の日本には霊魂の類が猛威をふるっているのである。「貴公ら、俺らのおかげで生まれてきたん、わすれたん?」と先祖の霊魂が煽ってくるのである。

 

人々は先祖の荒ぶれる御霊を沈静化するため、墓に参る。衣服を脱ぎ捨て、裸体に豚の生き血で魔の文様を描き、そして各自生まれ育ったその土地の土着的で伝統的な、オカルトチックな密教のダンスを踊ったりするらしい。

 

これは擬似的に悪魔を演ずることによって、荒ぶれる霊魂に「ここにずっといてはいけない」という一種の暗示をする意味がある。悪魔になりきった人々はその日、破壊行為、暴力、強姦、押し入り、物取り、火付け、殺しなど悪行の数々が許されるという。だって悪魔だから。そして翌日にはなにごともなかったかのように振舞うのである。こわっ。

 

まぁそのさい重要なのは墓をしっかりと洗浄することらしい。ダンスで迸った豚の血や人間の肉汁、まぁ汗や涙や涎など、をそのままにしておくと、不潔で衛生面が問題になり、役所から苦情がくるからである。

 

だから墓をしっかり洗浄せねばならないのだが、ここのところ雨ばかりで墓は自然由来のオーガニックな方法で洗浄されるらしい。なんだよ!けっきょく恵みの雨かよ!